拍手御礼

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22

「……」
「はい、って」
「……おまえ、この字は読めるのだな」
「もちろん」
「で、何のつもりだ」
「気にしてただろ。最近、体力が落ちたって。だから、はい」
「こういうものにあまり頼りたくないのだが……」
「『新製品が出ましたのでお試しください』って持ってきたんだ。いつもの店が」
「試したいのか」
「効いたらまとめ買いしようと思って」
「……」
「どうしても飲むのが嫌なら、城に行こうか」
「何故そうなるのだ」
「ローザほどの白魔導士なら、エスナで治せ――」
「わ、わかった、飲む。飲むぞ!」
「はい」
「うれしそうだな」
「そりゃあ。どう?」
「味は悪くない」
「じゃなくて、どう?」
「そんなに早く効かないだろう」
「『即効性』って書いてあるんだけどなあ」
「……効いてきたようだ」
「おお、さすが」
「おいで」



「……効き過ぎ。俺がバカだった」
「どうした。降参か」
「もうだめだ。腰だるい。休憩」
「勧めたのはおまえだ。責任は取ってもらう」
「えー、また?」
「きついなら、おまえも飲んでみるといい」
「遠慮する。手でするから、勘弁して」
「だめだ」
「……仕方ないな」
「どうだ」
「美味くも不味くもない」
「すぐに効くぞ」
「あ……なんか熱くなってきた」



「……もう腰が立たん」
「俺が上になるから」
「すまん。打ち止めだ」
「えー、俺に無理矢理飲ませたくせに」
「無理強いはしていないだろう」
「もう一本飲む?」
「まだあるのか。キリがないぞ」
「身体がでかいから一本じゃ足りなかったんだ、きっと」
「後悔していたではないか」
「あー、初めに半分飲めばよかったのか」
「とにかく、また飲んでもキリがない。なんとか堪えてくれ」
「ということは、いまも半分飲めばいいはずだ。はい」
「……い、いや。やはりこういうものに頼るのは……」
「はい」
「……どうなっても知らんぞ」



「な。ちょうど合っただろ」
「……」
「精も根も尽き果てた、って感じだな」
「……もうしばらくは、いい」
「何言ってんだよ。そういうときのためのものだろ」
「……おまえが抑える薬でも飲めばいいだろう」
「え? 何か言った?」
「い、いや何も」
「とりあえず二箱注文する」
「……何本入りなのだ」
「一箱十二本。いまなら二つ注文すればもう一つサービスでついてくるから、得なんだ」
「倹約も結構だが、あまり所帯染みるのもだな……」
「何か言った?」
「い、いや。もう寝よう」








10/06/21〜10/08/20
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