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同棲ものでコネタリレー

ブログで「空気を読めない弟シリーズ」の一環として不定期連載していたリレー式コネタ。





1 セシルとカイン  09/5/9


「カイン! 子ども産むんだって!」
「……まだ決まったわけじゃない」
「セオドアには従弟が、僕にも甥っ子ができるのかあ。楽しみだなあ」
「男とは限らないだろ」
「兄さん似ならセオドアと兄弟に見えるかもな」
「ひとの話を聞け!」
「何だよ。機嫌悪いな」
「おまえに言うとうるさいからぎりぎりまで黙っていよう、って言ってたのに……」
「ひどいな。バロンの皆だって知ってるぞ。町の雑貨屋が『兄上様の注文で倉庫が満杯だから、少しでも引き取ってください』って言ってきたし」
「……何買ったんだ」
「粉ミルクやおむつ、ベビー服に――」
「いや、もういい(げっそり)……」





2   ギルバートとエッジ   09/5/23


「カインが子どもを産むらしいよ」
「え、マジで! さすがゴルベーザだな。男でも妊娠させられるのか」
「さすがの彼でもそれは無理だって。何でもそういう手術を受けるらしいよ。詳しくは聞かなかったけど(聞いたけど、エッジには言わないほうがいいな)」
「へえええ。そんなことできるってことは、妻を娶らなくても子を成せるってことだろ。俺たちも受ける日が来そうだな」
「男の僕らは女性と違って生殖機能の寿命が長いから、焦ることはないよ」
「んー、だけどなあ。世継ぎをもうけるために婚姻ってのが、俺にはなあ。やっぱり好きな女に自分の子を産んでほしいだろ」
「エッジはロマンチストだね」
「おまえも、死んだ恋人を忘れろとは言わねえが、前に進めよ」





3    エッジとリディア   09/5/29


「カインが子を産むらしいぞ」
「……」
「どうした。驚いて言葉もないか」
「……私、カインはずっと男の人だと思ってたのに、女の人だったんだ……きれいなはずよね」
「(そっからかよ!)いや、昔もいまも男だけどよ、男でも産める身体にするんだってよ。手術で」
「そんなことできるの! すごい! じゃあ、カインはお父さん? お母さん?」
「お父さんはゴルベーザだろ。カインは……子を産むからやっぱり母親か」
「男の人なのにお母さんなの? お母さんって女の人よ」
「お、俺に訊くな。そ、それよりリディア。は、母親になななりたいと思ったことはないか」
「え?」
「あ、あああ赤ん坊欲しいと思ったこと、ないか」
「赤ちゃん? 欲しいな。セオドア、可愛いもん」
「いや、ひとんちの子じゃなくて、じ、自分の子ども、というかおおお俺の……」
「リディアー! エブラーナから届いた荷物、ちょっと見てー」
「はーい! いま行くー! エッジ、いつもありがとう。またね!」
「お、おい! ……情けないぞ、俺……」





4   リディアとヤン   09/7/04


「カインが赤ちゃん産むんだって」
「え……カイン殿は男なのだが……」
「男の人でも産める身体にするんだって。手術で。すごいと思わない?」
「さすがあの男、容赦ないな……」
「え?」
「いやいや。それはめでたい」
「ね。ヤンもうれしかったでしょ。アーシュラ、生まれたとき」
「もちろん、長年できなかったので殊更に」
「ねえ……赤ちゃんってどうやってできるの?」
「そ、それは……(そこからか!)神の思し召しだよ」
「神様かあ。『赤ちゃんが欲しいの』って幻獣神様にお願いすればいいのね!」
「リ、リディア、それはちが――」





5   ヤンとパロポロ   09/7/6


「カイン殿が子を産むそうだ」
「何の冗談」
「どういうことですの?」
「何でも、産める身体にするらしい」
「うはあ、そんな魔法も習得してんのか! やっぱすげーな、あのおっさん!」
「失礼よ! 愛の力ですね。わかりますわ」
「い、いや、そうでなく、しゅじゅ――」
「やっぱ黒魔法が最強だな。俺も憶えるぞ!」
「黒魔法のおかげじゃないわよ! 二人の愛の成せる業よ!」
「いや、あの――」
「やっぱあれかな。こんな地味な修行するより月へ行ったほうが魔力も上がって、そんなすごい魔法も習得できるんじゃないのか」
「何言ってんのよ! ゴルベーザさんの月の民の不思議とカインさんを深く愛する気持ちを神様が汲んでくださったのよ!」
「おまえ、魔道士のくせに夢見過ぎだろ。ばーか」
「なんですって!(ポカッ)」
「……(ひとの話、聞いて欲しいなあ)」 





6   パロポロとローザ    09/9/2


「カインのあんちゃんが子ども産むんだってな」
「みたいね。楽しみだわ」
「ゴルベーザさんとカインさんの赤ちゃんなら、セオちゃんに似るかもしれませんわね」
「あれ? セシルのあんちゃんは?」
「カインのところよ。しょっちゅう行ってるの」
「ちぇっ。せっかく来たのに」
「仕方ないわよ。突然来たんだから。ああ、泣き出しました。ローザさん、どうしましょう」
「お腹が空いたのよ。おっぱいの時間ね。さあ」
「俺、ちょっと……」
「居てもいいのよ、パロム」
「冗談!」
「ふふ、小さくても男の子ね」
「うわあ、一所懸命飲んでますわ……可愛い。カインさんもおっぱい、出るようになるのかしら」
「お義兄様が粉ミルクをたくさん買ってらしたようだから、出ないと思うけど」
「え、もう? まだ生まれていませんのに?」
「この子も可愛がってくださるし、いい父親になると思うわ」





7   セシルとパロムとゴルカイ      09/9/24


セ「おや、パロム。よく来たな」
パ「せっかく城に行ったのに、セシルのあんちゃん、いねーんだもん」
カ「おい、ミルクでいいか」
パ「せめて『紅茶でいいか』って訊いてくれよ。あれ、おっさんは?」
カ「・……」
パ「なあ、って! おっさ――イテテ」
ゴ「誰がおっさんだ」
パ「なんだ、いたのか。なあ、新しい魔法教えてくれよ!」
ゴ「それが人に教えを請う態度か」
パ「イテッ! 教えてください、お願いします!」
ゴ「おまえに教える魔法など何もない」
パ「あるじゃん、とっておきの」
ゴ「何のことだ」
パ「子ども作る魔法だよ。ヤンが言ってた」
ゴ「何だと」
カ「おい、おまえ、何を聞いてきたんだ」
パ「え? 『カイン殿が黒魔法で子どもを産む』って言ってたぞ」
カ「……」
セ「に、睨むなよ。僕じゃない。それにヤンがそんないい加減なこと言うわけないよ」
ゴ「とにかく、そんな魔法はない」
パ「えええ! ケチ!」
カ「子どものおまえがそんな魔法憶えてどうする」
パ「やっぱりあるんじゃんか!」
カ「例えば、だ!」
パ「俺はこの世のすべての黒魔法を憶えたいだけなの!」
ゴ「編み出せ」
カ「え?」
ゴ「天才ともてはやされるおまえだ。おまえ自身が編み出せ」
パ「お、俺が……」
ゴ「それができたら、おまえに頭を下げて教えを請おう」
パ「おお、お、おっさんが俺に……痛っ!」
カ「大人を敬え」
パ「お、俺、修行してくる! 楽しみにしてろよ! 試練の山で首洗って待ってろ!」
セ「言葉の使い方、間違ってるぞ。おい! あー、行っちゃった」
カ「さすが。他愛ないもんだ」
ゴ「所詮子どもだ」
セ「無駄な修行するな、って長老に怒られるよ。でも万が一魔法を憶えたら……」
ゴ「願ってもない」
カ「え」
セ「さすが兄さん! 目的のためなら子どもに頭を下げることも厭わないなんて、すごい意志の力だね!」
ゴ「そう褒めるな」
カ「……(ついていけない、この兄弟!)」




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